わたしは、夫が亡くなってから、5か月ほど、寝室で眠れなかった。
彼が自宅で亡くなった場所だったからかもしれない。
しかし、本当の理由は、よく分からない。
怖いとか、思い出すからというわけではなかった。
ただ、からだが反応し、リビングに布団をずりずりと毎日運び、眠る日々が続いた。
5か月が過ぎたころ、何かがあったわけでなく、ある日突然、寝室を掃除して整理し、ひとり使用に変えて眠ってみようと思ったのだ。
自然に、からだが、そしてこころが、そのように動いた。
快適に眠れた。
無理に、遺品を整理したりもしないのだろう。できもしない。その時が来たら、また心が動くのだろう。
死んだように冬眠していると思っていたこころが生きていて、よかった、そう思った。